【那覇・新都心】「餃子の王門」で餃子をスルーして麻婆豆腐を頼んだら脳汁がブシャリと噴き出した話

ハイサイ。沖縄に移住して丸20年、主食の半分がゴーヤー、もう半分が泡盛で構成されている自称・歩く沖縄グルメディクショナリーの私です。突然ですが皆さんに質問です。もしあなたが「餃子の王門」という名前のお店に行ったら、一体何を注文しますか。普通なら10秒で「そりゃ餃子だろ、アホか」とツッコミが入るところでしょう。ええ、私もそう思う。自分の名前が鈴木なのに「佐藤です」って自己紹介するくらい不自然な話です。
​しかし、世の中にはそんな固定概念をガツンと殴り倒してくる、とんでもないアウトローな名店が存在します。それが那覇市おもろまち、通称「新都心」と呼ばれるエリアの片隅に佇む餃子の王門。


​今回、私はあえてこの「餃子」という強力な盾を構えるお店に、丸腰のまま「麻婆豆腐セット」というまさかの直球勝負を挑んできました。これがもう、私のグルメ人生の常識をひっくり返すほどの、とんでもない大事件の始まりだったのです。
​お店があるのは、オシャレなセレクトショップやカフェが立ち並ぶ那覇の新都心。でも、このお店の一歩中に入ると、そこは洗練された都会のオアシスというよりは、全サラリーマンの魂の実家のような、なんとも落ち着く居酒屋空間が広がっています。


​席に着き、メニューを睨みつけます。もちろん、トップには自慢の餃子が神々しく鎮座しているわけですが、私の目はその下、どこか異彩を放っていた「麻婆豆腐セット」にロックオンされました。私のグルメセンサーが「おい、コイツはただ者じゃないぞ」と激しくアラートを鳴らしている。その直感を信じて、いざ注文です。
​しばらくして運ばれてきたトレーを見て、私は自分の目を疑いました。


​湯気とともに立ち上る、あの特有のスパイスの香りが鼻腔をダイレクトに突き刺してきます。これは、そこらの町中華で出てくる「日本風にアレンジされた甘口の麻婆豆腐」なんかじゃ断じてない。中国の大地を感じる、ガチの本場中華料理の麻婆豆腐そのものです。
​さっそくレンゲですくって一口。その瞬間、私の脳内で完全に何かのスイッチが切り替わりました。
​美味い。いや、美味すぎる。
​まずやってくるのは、豆板醤や甜麺醤といった調味料の深いコクと旨味。そして、後から追いかけてくる花椒のピリッとした心地よい痺れ。この辛さの加減が、本当に絶妙なのです。ただただ辛くて味が分からないという暴力的な辛さではなく、「辛い、でも旨い、だからもう一口」と、スプーンを持つ手が自動的にマシーンと化す、計算され尽くした黄金比の辛さ。豆腐はプルプルと滑らかで、ひき肉の旨味がしっかりと絡みついて離れません。気がつけば、私は白米の山に麻婆豆腐をダイレクトにバウンドさせ、狂ったようにかき込んでいました。完全に理性がログアウトしています。
​そして、この麻婆豆腐の圧倒的な主役感の横で、静かに、しかし確かな存在感を放っていたのがセットのスープです。
​このスープを一口飲んだ瞬間、私は思わず天を仰ぎました。なんだこれ。めちゃくちゃ美味い。
​メインの麻婆豆腐が刺激的なハードロックだとすれば、このスープは優しく心を包み込んでくれる極上のバラード。麻婆豆腐の辛さで火照った口内を、優しく爽やかに洗い流してくれます。出汁の旨味がこれでもかと凝縮されていて、一滴飲むごとに寿命が1年くらい延びている気がする。これ、本当にセットの脇役ですか。このスープを大きなラーメンどんぶりで持ってきてもらって、溺れるまで飲みたい。心の中で「すみません、このスープだけでいいから無限におかわりさせてください」と本気で叫んでいました。もちろん、そんな恥ずかしいことは大人のプライドが邪魔して言えませんでしたが。
​看板メニューの餃子を完全にスルーして出会った、まさかの絶品麻婆豆腐。このクオリティの本格中華が、おもろまちの居酒屋でフラッと食べられるなんて、沖縄のグルメ界の奥深さには本当に脱帽です。
​お店は、おもろまち4丁目のアクセスしやすい場所にあります。お昼のランチタイムはもちろん、夜はオシャレで活気のある飲み屋さんとして営業しているので、沖縄旅行のディナーや、地元民に混ざってディープな夜を過ごしたいときにも間違いなく大本命の一軒。次回は絶対に夜の部に突撃し、キンキンに冷えたオリオンビールを片手に、この麻婆豆腐と、今度こそ自慢の餃子を一緒に胃袋へ流し込むことを固く心に誓いました。
​店舗情報
住所:〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち4丁目17-13 コーポセロ 1階
営業時間:火曜~土曜 11:30~14:00、17:30~22:30 / 月曜 17:30~22:30(※日曜は営業時間外)
定休日:日曜日
駐車場:なし(近隣のコインパーキングをご利用ください)

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